牢屋でやせるダイエット
中島 らも

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発売日: 2005-06-09
発売元: 青春出版社
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いつか小説に
大麻取締法違反で捕まってから保釈までの拘置所生活で体験したこと、考えたこと、感じたことなどがちょっと意外なくらいな細かさで綴られています。これは想像ですが、らもさんは後にこの体験を題材にして小説を書くつもりだったんじゃないかな。「今夜すべての?」みたいに。エッセイを読んでるとそんな気がしてなりませんでした。
翌年に亡くなったのは逮捕、拘留のショックもあったのでは…
らもさんは高血圧症だったが逮捕直後に血圧を下げるクスリを貰えなかったことで、血圧が230以上にあがってしまったという。しかも、これは医師の治療を受けられた直後なので、ピーク時にはもっと上がっていた可能性が高く、本人曰く臨死体験に近い状態だったという。その時の医師によると血圧というのは「二百五十を超えて生きている人は見たことがないです。たいてい、それまでに死んでいます」(p.42)とのこと。
そんな中で割とマジメに書いているのが時間に関する考察「人の一生は、あり余る時間との戦い」(p.112)。「楽しい時間はあっという間に過ぎる。退屈な時間はじりじりとしか進まない。時間を早く進ませるために、人は楽しさを求めるのではないか。これがおれのたどりついた答えだ」(p.116)、「生きているということは、すなわち時間という監獄の中に入れられているようなものではないか。時間から釈放されることはありえない。あるとすれば、それは死ぬということだけだ」(p.118)あたりはさえているな、と。
釈放された日、ケイバーでバカ話をして飲んだ後、勘定は「今日はいいわ、らもちゃん」ということで出所祝いでタダにしてもらったという話もなかなかいいなぁ。ちゃんとこういうシステムがちゃんと働いているというのは、なんか泣けてくる(p.164)。
また、らもさんに会えました。
らもさんの作品は大好きで「ガラダの豚」まで大好きでした。それから何となくちょっと違うなっていう感じなって、そして逝ってしまいました。今回、読んだこの作品は大好きだった頃ののんびりと、やんわりとホントのことを言ってくれる、らもさんがいました。
とてもうれしくて、また彼の作品をあれこれ読み返したいと思っています。